腰部痛が生まれる疾患では、
「ぎっくり腰」
「ヘルニア」
「脊柱管狭窄症」
という名前は聞いたことがあるかと思います。
これらら以外で聞く機会の少ない疾患が、
「腰椎すべり症」
です。
今回は、この「腰椎すべり症」についての内容です。
(以後は腰椎すべり症をすべり症と表記していきます。)
すべり症とは何ですか?
背骨(脊柱)の一部である腰椎が、
正常な位置から前方(お腹側)や後方(背中側)にずれてしまう状態を指します。
この状態は脊椎の安定性が損なわれることにより引き起こされ、
さまざまな症状や問題を引き起こす可能性があります。
多くの場合は脊柱が正常な位置から前方(お腹側 )にずれてしまうことが多いです。
すべり症の種類
すべり症には幾つかの種類があります。
それは、
- 変性すべり症
- 外傷性すべり症
- 病的すべり症
- 疲労骨折によるすべり症
- 術後すべり症
- 先天的すべり症
などです。
それぞれについては
以下に詳しくを書いていきます。
変性すべり症
年齢を重ねることで、
椎間板(椎骨同士の間にあるクッションの役割を果たす組織)が劣化し、
弾力性を失います。
また、椎間関節(脊椎を安定させる部分)が弱くなると、
骨がずれやすくなります。
体幹の筋肉の低下により、脊柱の安定性が保てなくなり、
結果としてすべり症になる場合も変性すべり症にあてはまります。
このタイプは中高年の方に多く見られます。
外傷性すべり症
外傷性すべり症は、
事故や転倒などの強い衝撃が腰椎に加わった結果や、
コンタクトスポーツと言われる身体をぶつけるスポーツ
(ラグビーやアメリカンフットボール。格闘技系のスポーツなど)
での衝撃により脊椎が急激にずれてすべり症が発生する場合です。
病的すべり症
腫瘍や感染症による骨の構造異常が原因で腰椎がずれるケースです。
これには骨の病変や疾患が関与します。
例えば、
MRIにて腰椎の近くに腫瘍が見つかった。
この腫瘍の影響で骨の弱化が起こり、
その結果として腰椎がお腹側にすべっている状態となった、
などの場合です。
疲労骨折によるすべり症
繰り返しの動作やストレスが骨に負担を与え、
疲労骨折が発生することで腰椎がずれる場合があります。
このタイプは若いスポーツ選手に多く見られます。
例えば、
体操競技の練習中に腰痛を感じ始めたので病院で診察を受けました。
診断の結果、繰り返しのジャンプや腰の反り動作により疲労骨折が発生し、
腰椎すべり症を引き起こしていることが判明しました。
などの場合です。
術後すべり症
椎間板ヘルニアや脊椎手術後に、
周囲の構造が弱くなり、すべり症が発生することがあります。
先天的すべり症
生まれつき腰椎の「椎弓」という部分(背骨を支えるアーチ状の構造)が、
完全に形成されていない場合があります。
この形成不全により、腰椎が安定性を欠き、
時間とともに骨がずれることがあります。
まとめ
これらの症例はそれぞれ異なる原因や特徴を持っていますが、
共通して言えるのが、
「腰椎が本来の位置関係からズレてしまい、
痛みや痺れといった症状が出ている。」
ということです。
少しでも症状を感じることがありましたら、
早期の診断と適切なケアが重要です。